TRY

トヨテツのミライ

変化の激しい時代を、トヨテツはどう生き抜くのか。
モノづくりで培った技術力を、これからどう活かしていくのか。
営業部門を統括する前田常務取締役と技術部部門トップの江口取締役に
未来に向けたメッセージをお伺いします。

Cross Talk

前田 喜久雄

Kikuo Maeda

常務取締役
グローバル事業部・営業部 統括、開発部 担当
中国事業・インドネシア事業 統括

江口 弘之

Hiroyuki Eguchi

取締役 第1技術部長、開発部、
第2技術部 担当 

トヨテツDNAを継承しつつ、
骨格全体を担う提案型企業へ。

前田常務取締役

前田常務取締役

自動車業界は100年に一度の変革期にあるといわれます。実際にどんな変化が起こりつつあるのか、少し整理してみましょう。
一つには、動力源がガソリンやディーゼル、ハイブリッドから電気へと変わる「電動化」があげられます。人工知能(AI)による「自動運転」技術もますます進化するでしょう。かつて「買う」ものだったクルマは、これからは「借りる」ものへと価値観も多様化しそうです。これからの時代に必要なのは、いかなる変化にも柔軟に対処できる、企業としての対応力だと思います。

江口取締役

江口取締役

確かに変化の激しい時代ですが、ボデー製品が主力のトヨテツには成長のチャンスがあります。素材に変化があるとしても、クルマにはボデーが必要ですからね。技術者の視点でいえば、これまで以上に「軽量化」が製品開発における重要なテーマとなるでしょう。
自動運転化が進めば、より安全なクルマが求められます。そうするとクルマ自体はどうしても重くなるのです。安全性を確保しながら軽量化を進めることで、地球環境への配慮と燃費向上を実現することができる。軽量化への取り組みは、自動車業界共通の使命ともいうべきものです。

前田常務取締役

前田常務取締役

トヨテツはこれまで、世界を舞台に「軽量化加工技術の総合メーカー」として存在感を発揮してきました。加熱した鋼板を急冷して強度を高める「ホットプレス」や、非常に硬度の高い「超ハイテン(超高張力鋼)」の加工、アルミ加工、樹脂加工などすべての軽量化加工技術が社内でできる企業は世界でも数えるほど。高度な技術力こそ「愚直に、地道に、徹底的に」というDNAに支えられたトヨテツの真髄であり、真摯なモノづくりでお客さまに選ばれてきたという自負もあります。

江口取締役

江口取締役

そうしたDNAを継承しながら、これからのトヨテツは骨格全体の構造開発を行う提案型企業へと進化していきます。一つひとつのボデー部品を一体化したユニット製品をつくり、企画開発から設計、生産、評価までワンストップでできる強みを活かして、提案力に磨きをかけます。「こんな技術を使ったトヨテツ製の骨格なら、クルマの性能がこれだけよくなりますよ」と、性能解析をしたバックデータとともに提案することができれば説得力があるでしょう?2020年代の前半には、トヨタ自動車だけでなく国内外の完成車メーカーへ骨格構造を供給したいと考えています。
トヨテツの技術力を集結したより軽くて強靭な骨格が、さまざまなクルマの「頼れるバックボーン」になる。それが私たちの目指すべき姿です。

社員の「夢」と「希望」を
カタチにする土壌をつくりたい。

前田常務取締役

前田常務取締役

トヨテツはこれまで積極的に先端技術を学んで、それをよりよいモノづくりに活用してきました。今は5年先のトレンドを先読みすることが難しい時代です。技術をどう活用するか、社会にどんな貢献ができるのか、情報収集と柔軟な発想が必要です。

江口取締役

江口取締役

技術者としては、「今までにないものをつくりたい!」と思う人と一緒に仕事がしたいですね。トヨテツでは随時「開発テーマ」を募集していて、やりたいことができる環境が整っていますから。もちろん実用化には時間がかかりますし、採算性や生産性をシビアに検討する必要がありますが、可能性の扉はいつでも開かれています。

前田常務取締役

前田常務取締役

開発テーマはいつでも、誰でも、どんなテーマでも自由に提案できます。私は、働くみんなの「夢」や「希望」を実現する土壌をつくっていきたいんです。イノベーションを起こせる人材を育てて、若手社員からボトムアップしていく体制を確立したいと考えています。
何よりも一番自慢に思うのは、トヨテツではたとえ失敗しても必ず挽回できること!情熱があれば、何度でもチャンスをつかむことができる。独創的なアイデア、地道な努力、それらを活かせる風土があります。

江口取締役

江口取締役

私も、今までに何度失敗を繰り返したことか(笑)。「近い将来、アルミ部品が主流になる」という予測のもと、当時の経営陣を説得して開発プロジェクトを推進したこともあります。結果的には読みが外れましたが、そのときに開発を始めなければ競争に負けていたことでしょう。一歩前進するために、必要な失敗だったように思います。
失敗する勇気がないと、伸び悩んでしまうもの。視野を広げて、どんどん新しいことにチャレンジする人を私たちは応援します。

より豊かな生活のために
新しい可能性を探ってゆく。

前田常務取締役

前田常務取締役

トヨテツの新しい挑戦はもうはじまっています。トヨタ生産方式による品質管理のノウハウを、食分野で展開した「ベビーリーフ生産事業」がその一つ。徹底的に管理された完全人工光型の植物工場で、栄養価の高い多種類の野菜を水耕栽培しています。安心感や信頼感、そんなトヨタ・クオリティを食の分野でも感じてもらえるはずです。
また、折りたたんで持ち運びもできる小型の電動モビリティの開発も進めています。これも技術者が提案した開発テーマから生まれた新規事業で、シニア世代の新たな足となるべく普及が期待されている乗り物です。

江口取締役

江口取締役

今までの100年は、「優れた技術」が社会を豊かにするための重要な要素でした。自動車業界もクルマづくりを通して、豊かな生活に寄与してきました。これからのトヨテツはモノづくりで培った技術を活かして、生活の質(Quality of Life)を上げることを目指していきます。生活を豊かにすることを切り口に考えれば、農業や福祉業界など事業展開の裾野は限りなく広がっていくことでしょう。ベビーリーフの販売にともなって小売業界へ進出したことで、消費者としての視点を企画開発に活かす機会も増えていくと思います。発想を転換し、関係企業とも連携を深めて、「トヨテツにできること」を一緒に探っていきましょう。生活を豊かにする提案企業として飛躍するチャンスは、私たちの目の前に広がっています。